設計の仕事をしていた清遠智基さん(32)。実家は祖父の代からのミョウガ農家で、祖母が亡くなった後に、継ぐ決意をした。
安芸市の親元就農を支援する制度を活用し、3カ月間、「高知県立担い手育成センター」で研修。その後、親元で9カ月間の実地研修を受けた。今年9月に独立し、約21アールのハウスを建てた。かつては県東部にもたくさんのミョウガ農家があった。今は同市でも11軒となり、部会の中では最も若手の清遠さんが、祖父から父へと受け継がれた技術を継承している。
昔は土壌栽培だったが、現在は水耕栽培で育てており、収量は比較的安定しているという。「『高知県産 華みょうが』ブランドとして出荷するためには美しい色や形が高い水準で求められ、毎日の日射量の管理が難しい」と清遠さん。「でも、やればやるだけ返ってくるのでやりがいを感じる」。今は父親に習いながらだが、「そのうちいろいろ試したくなってくると思う」と農業の面白さを感じている。
最近、弟も実家に戻りミョウガ作りを始めた。清遠さんの新しいハウスも含め、家族総出で5カ所のほ場を管理し栽培している。「もともと仲が良い家族。助け合いながら、皆でやりがいを分かち合っている」と笑顔を見せた。