新規就農者インタビュー

新規就農者インタビュー

祖父母の畑を再興

津野町

西森路晃さん (38)

就農 5年目(掲載時)

高知新聞「みどりの広場」2020年6月28日掲載

京都市で生まれ育った西森路晃さん(38)。2015年、コンピューター関連の会社を辞め、高岡郡津野町にやって来た。元来こつこつと物を作るのが好きで、ふと「農業っていいな」と思ったときに思い浮かんだのが、祖父母が暮らした家と農地が残されていた同町だった。調べてみると、タイミングよく「地域おこし協力隊」の募集を行っており、迷わず移住を決めた。

協力隊員として地域を飛び回り、農家の手伝いをしながらさまざまな作物に触れた。初めての農業はとても楽しく、「農家になりたい」という思いがより強くなったという。3年間の任期が満了すると、1人でも栽培できる「土佐甘とう」を作ることを決め農業研修をスタート。2年間の研修後、自分のハウスを建てて就農し5年目になる。

4月上旬に苗を定植した土佐甘とうは、5月下旬から実をつけ始め、12月、霜が降りる前まで収穫が続く。最盛期は7~9月で、日の出とともに収穫を行い、休日は取れない。「できるだけ農薬は使いたくない」と天敵昆虫を使ってエコシステム栽培に取り組んでいる。自然環境は年々変化し、前年までのやり方が通用せず毎年のように試行錯誤が続くが、「まだまだですよ」と楽しそうにほほ笑む西森さん。現在5トンほどの反収(10アール当たり収穫量)を、将来は8トンまで伸ばしたいと意気込んでいる。