新規就農者インタビュー

新規就農者インタビュー

これからがチャンス

安田町

久保田健介さん (27)

就農 2年目(掲載時)

高知新聞「みどりの広場」2021年6月27日掲載

建設会社で働きながら、祖父のナス作りを手伝っていた久保田健介さん(27)。手を掛ければ掛けるほど結果につながる充実感に魅力を感じた。4年前、安田町の「新規就農支援事業」を活用し転身。先進農家で県域高知なす部会長の清岡克弘さん(62)に弟子入りした。会長の次男は「農業をしたい」と相談したときに背中を押してくれた同級生で、父親と作業をする姿に触発され、久保田さんも日々の作業に真摯(しんし)に向き合い、栽培技術を学んだ。

1年間の研修を終え、2019年9月に独立し、15アールのJAサポートハウスに自分の苗を作付けした。初年度は病気がまん延し、思ったように収量が上がらなかったが、2年目の今年はたくさんの実がつき、朝早くから収穫に追われた。繁忙期の“助っ人”は、元左官で現役ナス農家の祖父、騎志夫さん(83)。「わしは安田で農家にさせてもろうて一生懸命やってきた。この子が後を継いでくれる言うてくれて、本当にうれしい」と目を細める。

今年の9月には、自分のハウスが建つ。18アールに拡大し、温度や湿度、二酸化炭素濃度などを管理する最新の環境制御システムも導入する。「高知なす」が機能性表示食品に認められ、「これからがチャンス」と話す久保田さん。若い力で高知のナスを盛り上げる。