新規就農者インタビュー

新規就農者インタビュー

花たちいとおしい

本山町

畠山祐樹さん (33)

就農 2年目(掲載時)

高知新聞「みどりの広場」2021年4月25日掲載

長岡郡本山町で、ユリとトルコギキョウを作っている畠山祐樹さん(33)。鉄道の運転士をしていたが、祖父の死をきっかけに故郷で農業をしようと決めた。当初は、実家のシイタケ栽培を継ごうと考えたが、父から花作りを勧められた。シイタケはほだ木を扱う際に腰への負担が大きいことと、花は価格が比較的安定しているというのがその理由。嶺北地域は県内でも有数の花産地で、腕のある作り手も多い。近隣の花農家でユリとトルコギキョウ栽培をそれぞれ1年学び、2019年12月に独立した。

良い切り花の条件は、茎がしっかりしていてバランス良く花がついていることと、長さも重要だ。病害虫の防除、水やりや施肥、余分な花芽を取る摘蕾(てきらい)など日々の手入れが出来栄えを決める。習った通りにやっても、ほ場が違えば育ち方も異なる。天候にも左右され失敗も経験した。「花が咲いてもボリュームが足りなかったり、色が薄かったり、茎が弱かったり。まだまだ勉強しないとと思っています」と畠山さん。「若い頃は花に興味はなかったが、今では手を掛ければ掛けるほど美しく咲く花たちがいとおしい」

「自分の花作りができるようになったら、ほ場を広げて収量を増やし、もっと技術を磨いていきたいですね」と笑顔がはじけた。