新規就農者インタビュー

新規就農者インタビュー

さらに規模拡大を

須崎市

横山憲道さん (26)

就農 5年目(掲載時)

高知新聞「みどりの広場」2021年2月28日掲載

横山憲道さん(26)の祖父母はミョウガ農家、両親は会社勤め。自身は調理師志望だったが、「念のために」と農業高校に進学した。卒業後、調理師として働いていたとき、祖父から「ハウスを誰かに譲って引退しようと思う」と告げられた。ちょうどステップアップを考えていた時期。子どもの頃には食べられなかったミョウガだったが、調理を通じて食材としての魅力とおいしさにも目覚めていた。悩んだ末に、21歳で祖父の後を継ぐ決心をした。
ところが、祖父母の下で修業を始めると分からないことばかり。「即戦力と期待して『これぐらい分かっているだろう』と思ったのか教え方も指示もざっくり。何のための作業か、やるとどうなるのか、やらないとどうなるのかという説明がなくて、気持ちがついていかなかった」と振り返る。
しんどさで体調を崩すこともあったが、祖父母の勧めで自分のハウスを建てることになったのをきっかけに「やるしかない」と“スイッチ”が入った。毎日書きためたノートを頼りに、自分なりに考えて取り組んできたことが糧となり、今では41アールのハウスを外国人実習生と2人で切り盛りする。就農5年目を迎え、さらに規模拡大を検討しているほか、調理師の経験を生かし「消費拡大の一助に」とミョウガのおいしい食べ方も探っている。