審査講評

作文の部

高知市教育委員会 学力向上推進員 片岡忠三

 第四八回(令和五年度)「ごはん・お米とわたし」作文・図画高知県コンクールの作文の部において、小学校四〇編、中学校七七編、合計一一七編のすばらしい作品が寄せられました。今年は、例年と比べ中学校からの応募が多く、お米を通して家族や地域の皆さんとの交流がいきいきと描かれており、改めてお米のよさやすばらしさを感じとることができました。
 それらの中から、次に紹介する皆さんの作品が特選に選ばれました。ほんとうにおめでとうございます。

特選

  • しろごはんがすきです 私立学校法人高知学園 高知小学校 1年生 吉岡 柚菜(よしおか ゆずな)
     ごはんには、いろいろな食べ方があります。ふりかけをかけたり、塩おにぎりにしたり、卵かけご飯にしたりと、どのような食べ方をしてもおいしいですね。 
    そのお米が、おばあちゃんちで作ったものであり、ゆずなさんがお手伝いをして作ったものであれば、なおさらおいしいことでしょう。
     おいしいお米は、簡単にはできません。おばあちゃんと一緒に暑い中草引きをしたり、お父さんと一緒に稲刈りをしたりしているから、おばあちゃんの言う『ゆずのおこめ』ができるのです。さあ、今年はどんな『ゆずのおこめ』ができるのでしょう。楽しみですね。
  • お米は笑顔のもと 高知市立三里小学校 1年生 寺岡 莉亜(てらおか りあ)
     お米を食べると、家族みんなが笑顔になります。また、莉亜さんが悲しいときも悔しいときも、お米を食べれば笑顔になることができます。だから、作文の題にあるように『お米は笑顔のもと』なんですね。
     むかし、日本が戦争をしていたときには、、今のように自由にお米を食べることができませんでした。だから、多くの人々はひもじい思いをし、徐々に笑顔が消えていってしまいました。お父さんが言うように、お米を作ってくれるのが当たり前と思わずに、お米を作ってくれるみなさんに感謝しながら、笑顔のもとになるお米をたくさん食べていきましょう。
  • お米とわたし いの町立本川中学校 2年生 重松 由依(しげまつ ゆい)
     部活のバドミントンの練習をするときも、試合をするときもお米は欠かすことができません。それは、お米が体にエネルギーを与えるだけではなく、「次も頑張ろう」と、心にもエネルギーを与えてくれるからです。
     お米の消費量が年々減ってはいますが、由依さんのようなお米が大好きな中学生はたくさんいます。それを知ってもらうために、お米を作っている農家の皆さんにぜひ読んでもらいたい素晴らしい作品です。
 以上三編の特選作品を紹介しましたが、この他にも五編の作品が入賞しました。
 作文を書くことは、自分の生活をじっくりと見つめ直すことになります。また、物事を正しく認識する力を育てることにもなります。今回、この作文を書くことによってごはんやお米の大切さが改めて分かったという作文も多く見られました。
では、作文を書くときに、どのようなことに気を付けたらよいのでしょう。小学校低学年は原稿用紙二枚高学年三枚、中学生四枚という限られた紙面ですから、あれもこれも書いていては、何を言いたいのかが分からなくなります。書きたいことをしぼって書くことが大切です。また、原稿用紙の最後まで書き切ることも非常に大切です。それは、自分の書きたいことをより詳しく読み手に伝えることができるからです。今回入賞したほとんどの作品は、限られた枚数の最後まで書き切っていました。

文章を書くことは、簡単なことではありませんが、書いて分かる、書いて気がつくことも少なくありません。今後も書くことを続け自分を高めていってください。

図画の部

高知県美術家協会 理事 山岡良仁

受賞された皆さん本当におめでとうございます。
 今年は、10月3日にJA研修センターにて、寺山デザイナーとJAの組織人事部窪田部長と共に審査をさせていただきました。
 応募条件として作品の課題は「毎日のごはんでおいしかったことや、家族とのコミュニケーション、お米・ごはん食に関しての思い出や考えたことなどを素直な気持ちで自由に表現する」というものでした。
 今年は昨年より多くの出品を期待していましたが、出品数が少なかったのは残念でした。子どもらしい感性で、素直に表現しているものや、根気強く丁寧に最後まで仕上げたものを高く評価しました。

特選に選ばれました6名の皆さんの作品について講評します。

特選

  • せつぶんのなが~いのりまき 安芸市立土居小学校 1年生 萩迫 杏奈(はぎさこ あんな)
     鬼のお面をかぶったりして、節分の海苔巻のお寿司を巻いている様子が画面いっぱいに表現されていて、とても楽しい雰囲気が描けています。
  • わたしのすきなごはんのおとも 香南市立香我美小学校 3年生 石川 七海(いしかわ ななみ)
     ご飯のおかずを画面に並べ、おいしく食事をしている様子を描いています。鮭やみそ汁の表現力の確かさが感じられるのは、しっかりよく見て丁寧に着色した結果だと思います。
  • おいしいお米で育つ私 中土佐町立大野見小学校 6年生 平岡 叶望(ひらおか かなみ)
     収穫の喜びが、女の子の表情や画面全体から感じられる絵に仕上がっています。緩やかな色の変化や、混色による色相の工夫により柔らかい雰囲気が醸し出されています。
  • 今年も豊作になりますように 高知市立一ツ橋小学校 6年生 石河 亮介(いしかわ りょうすけ)
     画面構成や表現力が確かで、丁寧な着色がなされています。特に人物の表現力が素晴らしく又、透き通った空気感がよく表わされています
  • お米を運ぶ私 安芸市立清水ケ丘中学校 1年生 川竹 美桜(かわたけ みお)
     重たいお米の袋をしっかり抱えている様子が顔の表情からもうかがわれます。中学生らしく切り株の大きさで遠近感を出したり、影の表現がしっかり描けています。
  • お米と私たち 高知市立朝倉中学校 1年生 本久 颯真(もとひさ そうま)
     納豆ご飯を中心に据えて淡い色調でまとめた、やさしさの感じられる絵となっています。人物の画面への取り入れ方が丁度よく描かれています。