安全・安心でおいしい高知の野菜
農薬に頼らない「エコシステム栽培」とは?
JA高知県は、「安全・安心でおいしい野菜」を“エコシステム栽培”という名前で全国にお届けしています。
“エコシステム栽培”は「環境保全型農業」とも呼ばれ、生産者の方々が、様々な栽培方法を駆使して化学合成農薬に出来るだけ頼らず、環境への負荷をなるべく減らして野菜を育てる方法です。また、高知県の日照時間は全国トップクラスを誇り、自然の恵みがおいしさに一役買っています。
安全安心の取り組みメニュー
エコシステム栽培とは?
できるだけ農薬を使わない環境に優しい栽培です。
いろいろな技術を組み合わせて、病気や害虫に負けない野菜作りを行っています。
また、このエコシステム栽培は「SDGs(持続可能な開発目標)」の目標達成への取り組みにも繋がります。持続可能な生産活動を通じて、将来にわたって食料の安定供給を図りながら、自然環境と農村環境を保全するためにも以下のような取り組みを行っています。
例えば、害虫駆除には、その害虫の天敵にあたる昆虫を使って退治したり、虫の目が見えない環境を作る紫外線カットフィルムを張ることで害虫の活動を抑えるなどがその方法です。それぞれ品目ごとに栽培管理の方法を定め、そのルールをしっかり守ることが義務付けされています。
さらに、国が推奨する栽培方法で“特別栽培農産物”として販売している野菜や果物もあり、“エコシステム栽培”と合わせて「こうちのエコ野菜」と言います。
私たち農家は、下の方法を組み合わせて栽培を行っています。
「エコシステム栽培」14の技(栽培方法)
<総合病害虫・雑草管理>
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1ハチ交配
受粉をするのにホルモン剤(植物生長ホルモン)を使わず、ハチを使って自然受粉する。
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2防虫ネット
害虫対策は、まずは予防。防虫ネットを使ってハウス内への害虫の侵入を防ぐ。
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3天敵昆虫
害虫を食べる天敵昆虫を利用して、害虫の駆除をする。
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4黄色防虫灯
黄色い色が苦手な害虫の習性を利用し、夜間に黄色の防虫灯を点灯する。
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5微生物農薬
天敵昆虫以外の有用微生物などを病害虫の予防や防除に利用する。
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6紫外線カットフィルム
ハウスに張り、昆虫の可視光線である紫外線をカットし、害虫の侵入を防ぐ。
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7フェロモン
害虫の雌雄交信を錯乱し発生密度を抑える。
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8粘着シート
ハウス内で使用し、害虫を粘着捕獲し防除する。
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9抑草等マルチ
畝をマルチで覆い、雑草や害虫の発生等を抑制する。
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10熱利用土壌消毒
耕作前に蒸気や太陽熱等を利用し土壌を消毒する。
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11バンカープランツ
おとりとなる作物を栽培し、目的作物への害虫被害を減らす。
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12接ぎ木
病害には接ぎ木を行うことで、病気の発症を抑える。
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13機械的除草
除草作業を機械等を用いて行い、雑草による害虫の繁殖を防ぐ。
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14障壁作物
障壁となる背丈のある作物を栽培し、防虫・防風、農薬飛散を防ぐことを目的に利用する。
<適正施肥・土づくり>
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1土壌分析の実施
年1回は、土壌分析を行い(窒素・リン酸・カリ各要素)その結果に基づき適正施肥を実施する。
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2有機質肥料の施用
油かす等の有機質肥料を施用する。
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3緩効性肥料の施用
肥料成分が溶け出す速度を調整した化学肥料を適切に使用し成分の流亡を防止する。
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4局所施肥の実施
化学肥料を植物の根の周辺(根域)に集中的に施用し、植物が利用しない無駄な施肥を削減する。
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5堆肥等有機質資材の施用
農地の生産力の維持・向上をはかるため堆肥等の有機質資材を施用する。
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6養液分析の実施
養液分析を実施し、その結果に基づく養液成分の適正化を行い、過剰施用を防止する。
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7排養液の適正処理(循環含む)
排養液処理を行い、窒素及びリン酸濃度を低減して排出する。
<共通要件>
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1生産履歴の記帳・提出
要領で定めた様式にて生産履歴を記帳し、JAへ提出する。提出された生産履歴はJAにて1年間保存。
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2県版GAPシート又は農協品目版GAPシートへの点検・記帳
県版GAPシートを使用し、点検・記帳をする。
但し、「こうち環境・安心・安全点検シート(品目版)及び同品目版に基づいた農協品目版GAPシート使用可。 -
3使用済み生産資材の適正処理、産業マニフェスト管理票の保存
使用済み生産資材の適正処理と記録、産業廃棄物の運搬・処理を業者へ委託した時は、マニフェスト管理表の記録と保管(5年)。
エコシステム栽培は、自然の力(昆虫の力)に頼っている分、従来の栽培より管理・調整が難しい栽培方法です。
ですが、消費者の皆さまに安心・安全な物を食べてほしいからこそ、農家の方々はこだわりを持って栽培しています。
栽培から出荷まで。高知のエコ栽培はエコっちが目印
栽培品目のご紹介
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きゅうり類
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ピーマン類
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なす類
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ししとう類
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オクラ
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トマト類
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いんげん類
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れいし
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しょうが
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かんしょ
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みょうが
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アスパラガス
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にら
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大葉
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いちご
栽培の管理方法
総合的・病害虫雑草管理(IPM)
Integrated Pest Managementの略
IPM とは、あらゆる適切な技術を相互に矛盾しない形で使用し、経済的被害を生じさせるレベル以下に害虫個体群を減少させ、かつその低いレベルに維持するための個体群管理システムです。
- 1. 防除手段を組み合わせて
- 2. 病害虫を低密度に抑え
- 3. その状態を維持することで農薬の使用を抑え、かつ生態系や生産作物に影響を小さくする環境に配慮した農業の形のことです。
GAPについて
Good Agricaltural Practiceの略
GAPとは、農業者が食品の安全確保や環境保全など、適切な農業生産を実施する工程管理の手法です。
- 1.管理の点検項目を決定し
- 2.点検管理を実践・記録し
- 3.記録を点検し改善点を見つけ
- 4.次の作付に活用する、工程を継続して実施(PDCA)します。
栽培から出荷まで。高知のエコ栽培はエコっちが目印