JA高知県の出資法人アグリード土佐あきは、2月中旬に統合環境制御システム「アネシスQ2600」を導入しました。
新たな環境制御技術によるナスの生産に乗り出し、今後は現地検討会などを通じて生産者らとノウハウを共有。生産コストの削減効果なども示しながら、全国一を誇るナス産地の生産振興につなげていきます。
統合環境制御システム「アネシスQ2600」は、従来の単機能型のシステムと比べ高機能で、1つの制御盤による統合的な制御が可能。日光や温度、湿度などを一体的に識別することで、栽培環境を適正に管理します。より細かい制御が可能となり、農薬も抑えることが期待できます。法人では20%の使用量削減を目指しています。
離れた場所からのモニタリングや遠隔操作による作業の効率化などオペレーションの向上で、作業面での改善効果にも期待がかかります。
法人の有光大専務は「コスト面等で誰もが導入できる設備ではないので、知識や技術を地域の生産者へ共有していきたい」と話します。
法人は、地域農業の維持、発展を目的に2015年10月設立。農業生産事業の他、研修生を受け入れる担い手育成事業や作業受委託事業にも力を入れます。設立以来、3作連続で10㌃当たり20㌧を超える収量を確保。管内でもトップクラスの収量を誇ります。19年度の出荷量として74トンを目指しています。
法人の安岡憲保社長(JA高知県常務)は「法人での実績は地域と共有し、産地全体の強化を目指す。今後も先端技術を積極的に取り入れ、常に地域の先端を走り続ける」と強調します。